蓄電池コラム

<2019年度当初予算案①>環境省は再省蓄エネ化を推進

公開日:2018.12.26 / カテゴリ:蓄電池

環境省からみる2019年度当初予算案

政府が21日、「2019年度当初予算案」を閣議決定しました。一般会計総額は101兆4564億円と7年連続で過去最大となり、当初予算として100兆円の大台を初めて超えたということです。

そう聞くと、具体的な使い道が気になるところ。

再生可能エネルギー普及の視点から、まずは環境省の予算案を見てみたいと思います!

まずは、環境省。

2030年度の温室効果ガス削減目標を26%と掲げている環境省は、地域の再省蓄エネ化(再生可能エネルギー・省エネルギー・蓄エネルギー)の推進を打ち出しています。

目標達成には、家庭部門からのCO2排出量を約4割削減しなければならず、住宅の省エネルギー性能の向上を図る必要があります。

そこで、家庭用蓄電池も含め、ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス/ビル(ZEH/ZEB)のより一層の普及を目指していこうとしているのが、今回の予算案から読み取れます。

ちなみに、ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス/ビルとは、大幅な省エネを実現した上で、再生可能エネルギーにより、年間で消費するエネルギー量をまかなうことを目指した住宅や建築物のことを指します。

 

地域の再省蓄エネ支援策とは?

では、地域の再省蓄エネ支援として、目を引く3つの施策をご紹介します。

1つ目は「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)化等による住宅における低炭素化促進事業」です。

今年度よりも12億円多い、97億円の予算が付けられています。

この事業は、住宅(新築・既存)の低炭素化を促進するため、エネルギー効率の高いネット・ゼロ・エネルギー・ハウスの普及を支援するというもの。

経済産業省や国土交通省と連携し、ZEHの交付要件を満たす住宅の新築・改修する場合の補助等以外に、一定要件を満たす住宅に蓄電池を設置する場合の定額補助(2万円/kWh、上限20万円/台)も行われます。

また、既存戸建住宅や既存集合住宅の高性能建材導入にかかる経費の一部補助のほか、住宅用太陽光発電設備(10kW未満)が設置されており、一定の要件を満たして家庭用蓄電池(設備費=2万円/kWh、上限20万円/台、工事費=上限5万円/台)また家庭用蓄熱設備(上限5万円/台)を設置する場合も補助対象となります。

背景には、家庭用蓄電池を普及させることで、再生可能エネルギーの自家消費に対するインセンティブを与え、段階的に迎えるFITの買取期間終了後に家庭部門のCO2排出量削減を図る狙いがあります。

2つ目は、「ネット・ゼロ・エネルギー・ビルディング(ZEB)実証事業」です。

予算額は、今年度と同じく50億円。

この事業は、オフィスビル等で、エネルギー効率の高いネット・ゼロ・エネルギー・ビルディング(ZEB)とする実証事業や既存建築物の省CO2改修等を推進するものです。

 

蓄電池導入で国土強靭化と低炭素化へ

最後にご紹介するのは、「地域の防災・減災と低炭素化を同時実現する自立・分散型エネルギー設備等導入推進事業」です。

今年度の補正予算で210億円が投じられたものですが、2019年度は当初より34億円の予算付けが行われました。

これは、地域防災計画に避難施設等として位置づけられた公共施設および民間施設に、平時の温室効果ガス発生抑制に加え、災害時にもエネルギー供給といった機能・力を発揮する再エネ・蓄エネ設備の導入を支援する取り組みです。

公共施設や民間施設が、防災・減災の観点から再生可能エネルギー設備や未利用エネルギー活用設備およびコジェネレーションシステム(熱源より電力と熱を生産し供給するシステムのこと)、蓄電池等を導入する際に、国が補助金を支給して国土の強靭化と低炭素化を図るというものです。

 

各家庭で再生可能エネルギーや蓄電池・蓄熱設備を賢く導入するためには、国のサポートをうまく活用することが大切です。

 

次回は、経済産業省と国土交通省の予算案をひも解きます!

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