蓄電池コラム

蓄電池にも種類がある!? 2019年問題の予備知識に

公開日:2019.1.16 / カテゴリ:蓄電池

太陽光発電設備だけでは電気は貯められません!

住宅用太陽光発電設備の余剰電力を大手電力会社が固定価格で買い取る制度が、今年11月から順次、買取満了期間を迎えます。「2019年問題」が社会問題として取り上げられる中、省エネだけではなく、防災対策の一つとして、再び太陽光発電と蓄電池システムが注目を集めています。

そもそも太陽光発電設備に電気を貯めておく装置が組み込まれていると思っている方も多いかもしれませんが、蓄電池システムは新設しなければ、電気を貯めておくことができません。

2019年問題を契機に「売電」から「自家消費」へと移行する上で欠かせない蓄電池。

新しく設置したいと思ってはみても、どの機種を選べばいいのか・・・。

そこで今一度、蓄電池にどのような種類があるのか、簡単に説明します!

正極と負極の素材で分類

蓄電池は、下記のように大きく4種類に分類することができます。

①ニッケル水素電池
②鉛蓄電池
③リチウムイオン電池
④NAS電池

その違いは、電池の正極と負極に用いる素材です。

💡ニッケル水素電池

まずは「ニッケル水素電池」です。

ニッケル水素電池は、正極にオキシ水酸化ニッケル、負極に水素吸蔵合金、アルカリ水溶液を電解液に使用しています。

過充電・過放電に強く長寿命という特長からハイブリッドカーに搭載されており、さらに急速充放電ができる強みを活かして鉄道システムの蓄電池にも用いられています。

💡鉛蓄電池

2つ目に「鉛蓄電池」です。

鉛蓄電池は、正極に二酸化鉛、負極に鉛、希硫酸を電解液に使用しています。

蓄電池の中でも古い歴史を持ち、自動車のバッテリーや非常用電源などに用いられるなど、最も身近な蓄電池と言えます。安価で広く普及しているものの、充放電を繰り返すことで負極の金属に硫酸鉛の結晶が発生しやすくなり、エネルギー効率の低下をまねきやすいという側面も持ち合わせています。

💡リチウムイオン電池

3つ目に「リチウムイオン電池」です。

リチウムイオン電池は、正極にリチウム含有金属酸化物、負極にグラファイトなどの炭素材、有機電解液を電解液に使用しています。蓄電効率が高く、残存電池容量や充電状態のチェックもしやすいことから、生活の必需品となった携帯電話やノートパソコンといった電子機器に搭載されています。

また、住宅や店舗などで導入されている蓄電池は、多くがリチウムイオン電池です。

💡NAS電池

最後に「NAS電池」です。

NAS電池は、正極に硫黄、負極にナトリウム、アルミナを電解質に使用しています。

高い充放電性能を持っている反面、硫黄とナトリウムという危険物を使用しているため取り扱いに注意する必要があります。価格は鉛蓄電池よりも低く、長寿命であることから、主に工場や大規模施設のバックアップ用電源に用いられています。

パワーコンディショナ内蔵型も要注目!

最近では、太陽光パネルで創り出した電力を家庭内で使える電力へと変換するパワーコンディショナを内蔵し、変換ロスをなくして高効率を追求した蓄電池も販売されています。

各家庭の設置環境や用途に合わせた高効率・長寿命な蓄電池選びが、後々の維持管理コストに大きな影響を与えます。今後、蓄電池を取り巻く、日々進化する技術革新にも要注目です!

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